墓は一過性のブーム?

墓石に「先祖代々」と刻まれていることや、「永代」使用料や「永代」供養といった言葉の響きから、お墓は「私たちが生まれる何百年も前から存在し、半永久的に続くものだ」と誤解している人が少なくありません。お墓というか宗教にはこういった、ある意味保守的なバイアス(偏見)が働くことが多く、ついつい伝統や歴史が連綿と続ているものと考えがちです。
しかし、我々庶民が立派な墓石を使って墓を持つに至ったのは、つい最近、戦後のことです。また、「火葬」が定着したのも戦後になってからです。そうなると、「一族の墓」や「納骨」「墓参り」といった意識や習慣が生まれたのも、当然戦後ということになり、墓の歴史というのはせいぜい60~70年程度しかないことになります。お墓は言わば現代の宗教文化なのです。

やがて、お墓を持つことやお墓参りが庶民にも定着してくると、今度は、高度経済成長やバブルの勢いもあって、墓や葬儀はいかにお金をかけるかで生前のステータスを競うシンボルのようなものとなりました。大理石や御影石など石だけで100万以上する材料を使い、数百万円かけて人気の霊園に土地(の使用権)を買って満足している有様を見ると、もはや墓は一過性の「ブーム」なのではないかとさえ思います。

死者を弔い、埋葬する行為は人類の普遍的なものですが、墓や埋葬方法、弔い方はその時々の社会の在り方により、耐えず変化しているものです。かつて葬儀は地域の人々が集まって各家家で執り行う比較的大規模なものでしたが、今ではセレモニーホールで小規模に行う「家族葬」や、そもそも葬儀をしない「直葬」が主流になりつつあります。葬儀ですらこの有様ですから、100年後には墓の概念自体が無くなっているかもしれません。むしろ、今の形の墓はもう20~30年もすれば別の在り方になると思います。
お墓は実に高い買い物ですし維持管理も大変です。果たして新しく買ってまで墓を所有する必要があるのでしょうか?私は甚だ疑問です。

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